「アフリカ合衆国」という未来予想図

 

南スーダンの独立を受け、総54カ国からなるアフリカ。

マジで巨大です。

未だに全ての国名と場所はわからない。

いわんや、その国の情勢をや。

先進国を追い抜く勢いで急激な経済成長を続ける国がある一方、長い内戦を経て、今まさに立ち上がろうとする国、未だに紛争が絶えず、政府崩壊無秩序状態の国。

まさに混沌とした巨大大陸である。

 

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無宗教、単一国家の我々には、到底理解し得ない、こうした民族間紛争、宗教間紛争は、奴隷と長い植民地の歴史にそのルーツを持つものも少なくない。

本年度初頭のアルジェリア人質事件も、先進国キリスト教徒に向けられたイスラム教徒の襲撃だった。

事件のほんの一週間前にお会いした顧客が、事件に巻き込まれた企業、日揮の方(彼はインドネシア勤務であったのだが)と後で知って、とても遠い国の出来事とは思えなかった。

 

海賊で有名なソマリア。

大陸東部に角のように突き出た先端に位置するこの国も、1991年に政府崩壊後、長く無政府状態が続く。

どんな劣悪な環境にも出向する国境なき医師団でさえ、身の危険を感じて撤退を決意したほど、その無秩序状態は世界最悪と言われていた。

そうしたこの世の果てとも思える国も、国際社会の援助によって、ようやく今、新たな国づくりに動き始める。

日本とも、22年ぶりに2国間支援が再会。

外務省とJICAの招待で各セクターの要人が来日し、石巻の災害復興活動や横浜の海上保安庁による治安活動の視察が行われた。また東北大学の研究センターで電気自動車にも触れ、その技術の高さを実感した彼らは、留学生を派遣するなどして産業の先端技術を学びたいと、産業の発展、インフラ整備など経済回復にも意欲を見せる。

「ソマリアで走っている車はほとんどが日本車。日本のメーカーに進出してほしい」

えっ?、ソマリアで日本車が走ってんだ。知らんかった・・。

豊田社長、是非ご検討下さい。

 

無政府崩壊国家から抜け出そうとする国があると思えば、中央アフリカ共和国のように、今まさに人道的危機に陥ろうとする国もある。

大陸のへそともいえるど真ん中に位置し、フランスによる長い植民地支配の影響で国民の8割がキリスト教。少数派のイスラム教徒との対立が今、危機的状況に陥っているとフランスは警告する。

キリスト教徒とイスラム教徒との対立は、時に大虐殺をも引き起こすほど悲惨な状況になりかねない。

無宗教の我々には到底考えられないことではあるが。

 

しかし。

この混沌とした大陸が、一つの共同体「アフリカ合衆国」となる日は遠くない、と確信する。

先日たまたま出会った映画

「アフリカ・パラダイス」

は、今から30年後のアフリカを描いたものである。

不況に陥ったヨーロッパからアフリカ合衆国へ人々が押し寄せ、過去の黒人と白人の立場が逆転する。

 

白人の支配はさておき、アフリカが一つの共同体となれば、その威力は計り知れない。

でも、それは世界を制覇し脅かすという脅威ではなく、内戦や紛争の苦い経験を繰り返してきた彼らだからこそできる世界平和への統合であると確信する。

 

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