60年の時を経てあらわる築地市場の地下に眠る被爆マグロの怨念

 

マグロ、好きですか?

生魚、とりわけ、マグロの摂取量No.1は日本人じゃないかなと、ちゃんとした統計データがあるのかどうかは知りませんけど、だいたい普通に考えて誰でも想像できるくらいに、我々日本人はマグロよく食べる。

ワタシは嫌いじゃないけど、でも一日三食マグロ食べれるかといったら、No thank you・・だわ。

築地のどこそこのマグロはウマイ!

と語る知人を横目に、まー機会があれば一度くらい行ってみたいなあ、と思いつつ、かといって是が非でもというほどの気持ちもなく、そんなこんなしているうちに、築地はその長い市場歴史の幕を閉じようとしております。

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さて、そんな築地市場

豊洲に移転先は決まったものの、跡地を民間に払い下げ、移転費用を賄う算段が狂いかねない不安が都を襲う。

23万㎡という莫大な土地が、東京都心で払い下げられるのは、類稀の話。たぶんこの先も出てこない。7年後の五輪の相乗効果で、想像以上の売却額で決まるだろうと、バラ色の青図を描いたのもつかの間、被爆マグロの怨念が暗雲を立ちこめる。

 

1954年3月、南太平洋のビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で、広島型原子爆弾約1000個分とも言われる爆発力の水素爆弾が炸裂。日本のマグロ漁船第五福竜丸をはじめ多くの漁船が被爆した。

この高濃度の放射能に晒されたマグロや魚たちが、築地市場の土中に埋葬、と言えば聞こえはいいが、事実上廃棄されたのだ。

 

これまでも、都営地下鉄の工事などで、度々調査はされてきたものの、実際埋めたとされる場所に彼らはいなかったという。

いったい、彼らはどこへ行ってしまったのだろうか。

 

市場内のどこかに埋まっていることは間違いない、らしいが、この莫大な敷地をくまなく発掘調査を続けていれば、それこそとっくに五輪なぞ終わてしまう。

もはや再開発に着手したのち、蓋を開けてみないと分からないという悲惨な選択肢しか残されていない。

そして、彼らが抱える残留放射性物質も定かではない。

 

偶然にも(いや、偶然ではなく彼らの怨念かもしれないが)、市場移転関連予算が都議会で可決した日が、2年前の3月11日。

東日本大震災と福島の原発事故の日。

 

人は忘れる生き物だと言われるけれど、過去の過ちを忘れ、行き過ぎた行為を顧みない我々の愚行を彼ら被爆マグロが、戒めているのだろうか。

 

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